放射性ヨウ素汚染地図の見解【元京都大学 小出裕章助教】


  • LINEで送る

think_09


(1)アメリカ政府のデータ及びそれを元にホワイトフードが作った放射性ヨウ素の汚染地図をご覧になっての感想について

放射性ヨウ素の汚染地図は実データだしているものは殆どなく、アメリカ政府のデータは希少かなと思うのですが先生が放射性ヨウ素の地図およびアメリカ政府のデータをご覧になっての感想はいかがでしょうか。

 

小出先生の見解
「まずはデータが少ないということですね。もちろん、DOEのデータというのは、今森さんおっしゃったように大変貴重なものです。日本の政府あるいは研究機関が福島第一発電所の事故には殆どは対応できない。後手ごとになってしまって、事故直後の放射能測定に関しては、殆ど何もできないまま、データがなかったわけですが。

 

 

それに比べれば、さすが米国DEOというのは、事故直後から活動をはじめて データを取ったということで貴重なデータだと思います。それでもデータが足りなすぎるというのが、事実です。」

 

放射性ヨウ素の土壌汚染地図【福島原発事故直後】

12141227_01

 

ホワイトフード
「放射性ヨウ素は甲状腺がんの原因になると言われているが、気を付けないといけないのはどの県までなのか?」

小出先生
「ヨウ素というのは、みなさんご承知だろうとは思いますが、揮発性の高い元素でして、原子力発電所の事故が起きれば、希ガスといわれる放射性を帯びたガスは殆ど出てきてしまうのですが、ヨウ素はそれについで大量に出てきた放射性核種です。

 

その次に大量に出てくるのがセシウムという皆さんがよく聞かれる放射性核種なんですが、セシウムよりもむしろヨウ素の方が、大量に環境に出てきたものです。そして、セシウムに関しては、これは今日までに大量のデータが出てきていますし、どの程度の範囲まで汚染が広がっているということもほば確定的にわかるという状態になっています。

 

ヨウ素の方はセシウムに比べれば、恐らく一桁大量に出たはずなのですが、一番長い放射性核種のヨウ素、ヨウ素131ですがそれでも半減期が8日、8日経つと半分になってしまう。また、8日経つとその半分になってしまうという寿命が短い放射性核種なので、測定に手間取っているうちにどんどん消えてしまってしまって、実態がつかめないという状態になっているのです。

 

ただし、今聞いていただいたように、セシウムに比べて約10倍出たと思われますので、セシウムに比べても広範な範囲が放射性ヨウ素によって汚されたと言っていいだろうと思います。

 

セシウムに関しては、うーんそうですね、一言でいうのがとても難しいけれども例えば福島第一原子力発電所から、40km〜50km離れている所、方向で言うと北西の方向ですが、福島県の飯舘村とよばれているところまでは、猛烈な汚染になっていて、今現在も強制避難区域飯館村も全村離村になってしまっているわけです。

 

40km〜50km離れている所です。それでセシウムの汚染が収まったかというと、もちろんそうではなくて福島県の中通り栃木県の北半分、群馬県の北半分、あるいは茨城県の南部・北部、千葉県の北部、東京と埼玉県の一部というところまでが、日本の法令を守るのであれば、放射線管理区域にしないといけないほどの汚染を受けたのです。

 

ですから当然ヨウ素に関しても、事故直後には、今聞いていただいたように広範囲の区域で放射線管理区域にしなければならない程の汚染を受けたのだと思います。」