札幌市の学校給食の放射能検査を実現させたママさん – 山田恵さんインタビュー


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山田さん

札幌市の学校給食放射能検査の実現のきっかけとなった札幌市の普通のママさんの山田恵さんにインタビューさせていただきました。

ホワイトフード「学校給食の検査を確立するために、市民として働きかけを行った山田恵さんです。今日はよろしくお願い致します。」

(1)学校給食を検査しないといけなと思ったきっかけは?

3.11が起こる7−8年前から友達どうしでエコ活動をしていまして、原発の危険性とかは知っていたんですよ。事故が起こったときに、これからどうやって活動していったら良いかなと考えた時に子どもを守る活動を具体的に始めている人がいなかったので、じゃぁ私は子どもを守る活動をしようと、最初は校長先生に電話をかけたりしていて、「まぁ、お母さん大丈夫ですから」とか言われてたんですけど、「そういうことじゃなくて、これは本当に命に関わる問題だから、真剣にもっと考えてくださいと言いました。

最初はやわらかめに、産地を公表してくださいというお願いから始まって、話を聞いていたんですけど、結局校長先生、教育委員会、市場の人とかも、給食会のひともつながっていないので、食品がどういう風にながれてくるかという知識がなかった。そこらへんを、給食会の人と、学校と教育委員会と市場の人の4つのところが連絡を取ってもらうようにお願いをするところから始めました。

(2)現在の札幌市の給食の検査は 具体的にどのような検査でしょうか。

札幌の給食は月に4検体、2検体を2回測っておりまして、検出限界値が4ベクレルになっています。1都16県の青果物を中心に測っています。それと一括購入をしている魚とかは入札するときに業者に証明書をつけさせることをしていて、それも4ベクレルで測られたものが使われています。

(3)どのようにして給食の検査を実施させましたでしょうか。

まず、署名活動を、校長先生と話をしていても、できるだけ話を広げないように、騒いでいるお母さんはあなた1人だけだから、あなたひとりには対応するので、他の人には言わないでくださいという雰囲気が続いていたので、これはやっぱり大きく署名活動とかをして、いかないとだめだなと思った。

私は署名とかはやったことがなかったので、まず要望する文章をつくるのに、市民運動を色々頑張っている弁護士さんのところに相談に行って、それでどういうふうに書いたら良いのか聞いた。

最初は気持ちがたくさんあったので、要望項目12項目ぐらい書いちゃったんですよね。そうすると弁護士さんは数を集めることが大事なので、ぱっと見た時に分かりやすい署名がいいですよと言ってくれたので、要望項目は2つぐらいがいいですと言われて。私は泣く泣く削って、3項目の要望を出した。2ヶ月ぐらい準備をかけたので、友達とか、自然食料品店とか環境雑貨のお店とか色々協力してくれるグループを作った。その中から、市民が行政に怒っている、あなたたちがしっかりやらないからちゃんとしてくださいという雰囲気があるんですけど、そういうのではなくて、一緒に子どもを守っていこうという風にしたかったので、上田市長へのラブレターにしようと話になったんですけどね。

それで署名の最初のところに、上田市長が普段やっていることへの感謝とか、だけどみんなで子どもたちを守っていこう。お礼の言葉からはじめて、署名の文章を見やすくして、2枚目にはどういうふうな危険があるのかとか、他の市町村の取組みはこうなっていますとか、外国での基準値はこうで、日本の基準値は高すぎますと説明文をつけてやりました。
書面自体が好評でした。自然食料品店とかだと、レジの横に置いてくれて、お会計した人に必ず声をかけてくれるようにした。同じ月にあった議会に間に合わせたい。と思ったので、9日間で集めて、ラジオでも何回も署名の協力を呼びかけてくれて、5108筆集めることができた。

それを提出して、その後すぐ9月の議会があって、市民ネットワークの小倉直子さんという札幌市議の方が代表質問をしてくださって、定例記者会見の時に北海道新聞の記者も上田市長に質問をしてくれて、そこで上田市長も市民の方からもすごく声が上がっていると、対策を考えていきますとハッキリ言ってくださって、それが9月の中ぐらいで動いていたことです。

10月1日からすぐ検査しますという体制になってくれた。すごくスピード感があり、はやかったですね。

(4)市長さん、市議さん、メディアの方が手伝ってくれたのはなぜでしょうか?

元々市民運動、エコ活動をしていたので、ネットワークはあったんですね。著名をするのにお母さんの団体が知った時に、その中に食のことを色々考えている方とか、市民ネットワークの方がいたんです。その小倉さんという市議が子どものこととかも考えてくださる方だったので、率先して代表質問をしてくれましたね。

(5)札幌の検査体制での課題は?

札幌の給食は添加物もすごく少なく、恵まれているとは思うんですね。だけど、色々あるんですが、今のところ北海道のものを全然測っていないくて。お米とか小麦、牛乳が測っていないんですね。なので、できれば主食なので検出限界値を下げて一度測ってもらいたい。

また、お魚でいうと測っているんですが、たらなどはすごく高い値がでるときがあるので、そういうのはもうちょっと測ってもらうように今いろいろかんがえているんですけど、測ってもらいたいなと思いますね。

検出限界値4ベクレルというのも、3.99が入っていないのかというと、ちょっと不安は残りますよね。

(6)何ベクレルぐらいまで測りたいですか?

事故の前が0.5ベクレル/kgぐらい以下だったというのであり、ゲルマニウム半導体検出機でそれぐらい測れるのであれば、主食はそれぐらいで一度測って、北海道産が安全だと言っても、本当にきちんと測ってもいいんじゃないかなと思います。測ってもらいたいなと。

ホワイトフード「いろいろありがとうございました。」

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