小出裕章氏(元京都大学原子炉実験所助教)インタビュー Vol.8「学校給食編」


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元京都大学原子炉実験所の小出裕章助教に、学校給食の検査についてインタビューさせて頂きます。

ホワイトフード「小出先生、よろしくお願い致します。」
小出先生「こちらこそ、よろしくお願いします。」

Q:学校給食による子どもの被ばくを最小限にするために
(1)食べる量が多いの主食を毎日検査することと
(2)少量だが放射能に汚染されやすい食べモノや放射能が多く降った産地のモノに注力して検査ということを考えましたがどのように思いますでしょうか?

正しい方針だと思います。ただし、こういう検査というのは、単発的に思いつきでやってもダメなわけで、どういう食べ物、そしてどの産地のものがどの程度汚れているか系統的に調べていく必要があると思います。

Q:予算と運用の難易度を考えて、Nalシンチレーションスペクトルメータを各学校に置いて毎日検査し、事務局にゲルマを置いて、各学校の給食を深く検査していくという検査体制はどのように思いますでしょうか?

店長さんがおっしゃっていることは、現状に基づくのであれば、やむを得ない方針だと思います。本当であれば、ゲルマニウム半導体検出機をすべての学校で設置して、そこで測るべきだと私は思いますけども、残念ながら、現状ではそれができないだろうと思いますので、事務局でしっかりと測定体制を整える、そして学校の現場ではNalを使うということが今の時点では仕方のないことだと思います。
ただし、今私たちが向き合っている汚染というもの、子どもたちを何とか守りたと思っている汚染は、元々東京電力福島第一原子力発電所の中にあった放射性物質で、東京電力の列記とした所有物だったわけですから、その東京電力の所有物がどこにどれだけの汚染物を落としているか、本来であれば東京電力が測定して人々に知らせる責任があると私は思いますので、引き続き東京電力にもっと測定をするように要求をする必要があるだろうと思います。

Q:いま運用の難易度ということが出てまいりましたけども、ゲルマを各学校に設置していく場合の難しさはどの辺にあると思いますか?

ゲルマニウム半導体検出機というのは当初設置するだけでもお金がかかりますし、その上で使用しようと思うと零下150度にしないと動作しないという測定器です。通常は液体窒素というものを使って冷やしているのですが、恒常的に維持していくことはかなり手間がかかることです。専門的な知識を持っていない方にはなかなか難しいだろう。それぞれの学校でそのようなことを本当にできるかなと思うとなかなか難しいと思います。今聞いて頂いたように東京電力にやらせることを皆さんが要求したらいかがかなと私は思います。

Q:学校給食の検査を進める上で、気をつけることやこうすべきではないかというご意見はありますでしょうか?

Nalという測定器を使うことは、私は先程やむを得ないと発言したわけですけども、Nalという測定器はかなり検出限界というか、測れる汚染が高いものしか測れません。Nalで測って検出限界以下だった。つまり測れませんでしたということになってしまいますと、汚染がないのではないかと皆さん錯覚してしまうのではないかと思います。
今までこの地球という星は1950年代1960年代に大量に行われた大気圏内核実験ですべて汚れていますし、福島第一原子力発電所の事故が起きる前から、すべての食べ物が汚れていたのです。その上に福島第一原子力発電所の事故の汚染が上乗せされてしまった。とびきり汚染がひどいモノが存在してしまっているわけです。
今聞いていただいたように汚染のないものはないというのが事実ですので、Nalでかりに汚染が測れなかったからといって、汚染がないと錯覚してはいけないだろうと思います。

Q:学校給食の検査を進めてくださっている関係者にひとことお願いします。

学校給食の検査をしてくださっている方、大変ありがたいと思います。わたし自身は原子力をここまで許してきてしまったことに関して、日本にいる大人はそれなりに責任があると思っていますし、大人が被ばくするのはやむを得ないことだと思います。
子どもに関する限りは、原子力を許した責任、あるいは福島第一原子力発電所の事故を引き起こした責任はないと思いますので、何としても被ばくから守ることを大人の責任としてやるべきだと思います。その時に一番大切なのは子どもたちが食べる学校給食というわけですから、学校給食に関してはできるかぎりきちっと測定をして、子どもたちを守ることをやりたいと私は思っています。そのために力を貸してくださっている皆さんに、私からもお礼を申し上げたいと思います。

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