甲状腺がんの新薬をエーザイがリリース


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甲状腺がんの中でも、分化型甲状腺がんに加えて、甲状腺髄様がん、甲状腺未分化がんなどの根治切除不能な甲状腺がんに対応した新薬をエーザイがリリースしました。

 

 

 

日本における甲状腺がん患者数は13,000~29,000 人と言われており、多くの甲状腺がんは手術などの治療が可能です。今回は今までは手術では対応が難しいとされてきた甲状腺がんに向けた取組みということで評価できそうです。このタイミングでリリースなのはどうかと思いましたが、ひとりでも多くの方が救われるといいなと思います。

 

 

 

引用:

TOKYO, May 20, 2015 – (JCN Newswire) – エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、日本において、「根治切除不能な甲状腺癌」を効能・効果とする、自社創製の新規抗がん剤「レンビマ(R)カプセル4mg」「レンビマ(R)カプセル10mg」 (一般名:レンバチニブメシル酸塩、以下「レンビマ」)を5月20日に新発売します。

「レンビマ」は、分化型甲状腺がんに加えて、甲状腺髄様がん、甲状腺未分化がんを含む根治切除不能な甲状腺がんの効能・効果を有する日本で始めての分子標的薬です。グローバルで実施した分化型甲状腺がんを対象とした臨床第III相試験(SELECT試験)において、プラセボに対して無増悪生存期間を統計学的に有意に延長するとともに、高い奏効率を示しました[1]。本試験において認められた主な副作用は、高血圧、下痢、疲労・無力症、食欲減退、体重減少でした。また、国内で実施した臨床第II相試験(208試験)では、甲状腺髄様がん、甲状腺未分化がんにおいても、本剤の忍容性と有効性が示唆されました。

日本の甲状腺がん患者数は、約13,000~29,000 人と推定されています。甲状腺がんの多くは治療可能ですが、根治切除不能な甲状腺がんに対する治療選択肢は限られており、新たな治療法の開発が望まれていました。特に、甲状腺未分化がんは、臨床的に悪性度が高く、予後が最も悪いがん腫のひとつであり、アンメット・メディカル・ニーズが極めて高い疾患です。当社は、「レンビマ」が、標準的な治療法が確立していない根治切除不能な甲状腺がんの患者様にとって、新たな標準治療として貢献することを期待しています。

「レンビマ」は、当社の筑波研究所で創製され、自社開発した新規抗がん剤です。腫瘍血管新生や腫瘍増殖に関わるVEGFR、FGFR、RET、KIT、PDGFR などに対する選択的阻害活性を有する経口投与可能な分子標的薬であり、特に甲状腺がんの腫瘍血管新生、腫瘍増殖に関与するVEGFR、FGFRおよびRET を同時に阻害します。また、本剤は、VEGFR2 とのX 線共結晶構造解析から、新たな結合様式(タイプⅤ)を有することが確認された薬剤であり、速度論的解析からは、標的分子に素早く結合し強力なキナーゼ阻害作用を示すことが確認されています[2]。

「レンビマ」は、2015年2月に米国で販売を開始しており、2015年3月に欧州医薬品庁の医薬品委員会より承認勧告を受領しています。加えて、スイス、韓国、カナダ、シンガポール、ロシア、オーストラリア、ブラジルで承認申請中です。また、本剤に関しては、肝細胞がんを対象としたグローバル臨床第III相試験や腎細胞がん、非小細胞肺がんなど複数のがんを対象にした臨床第II相試験が進行中です。

当社は、「レンビマ」を甲状腺がんの新たな治療選択肢としてお届けするとともに、本剤の承認条件として定められている特定使用成績調査(全例調査)を適切に実施し、適正使用を推進してまいります。引き続き当社は、本剤によるがん治療の可能性を追求し、がん患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

 

 

以上、引用終了

 

(情報ソース:http://dot.asahi.com/

 

 

 

甲状腺ガンは下記の4つに主に分類できます。

分化型甲状腺がんには、乳頭がんと濾胞がんが含まれます。

(1)乳頭がん

全体の85%で、非常にゆっくりと進行、比較的若い女性に多い、リンパ節への転移が多いという特徴です。

甲状腺と甲状腺のまわりのリンパ節を取り除く手術を行うことで予後は良好です。

 

(2)濾胞がん

全体の5〜10%で、骨や肺へ転移しやすい性質、他の臓器に転移がなければ、甲状腺と甲状腺のまわりのリンパ節を取り除く手術を行うことで予後は良好。一方、転移がある場合には、予後はあまり良くありません。

 

 

(3)甲状腺髄様がん

全体の1〜2%で、乳頭がんや濾胞(ろほう)がんよりも進行が速く、リンパ節や骨、肝臓に転移しやすい性質があります。甲状腺と甲状腺のまわりのリンパ節を取り除く手術が行われます。

 

 

(4)甲状腺未分化がん

全体の約1%で、悪性度が高く、進行も速い、きわめて予後が悪いがんです。甲状腺のまわりに広がりやすく、肺や骨などに転移しやすい性質があります。

 

(情報ソース:甲状腺がん.jp)