宮城県の放射能汚染状況
宮城県の放射能汚染状況について
2011年3月の福島第一原子力発電所の事故時、福島県のみならず、東北や関東の広範囲に渡って大量の放射性物質が飛来し、土壌や食品などが汚染され、事故から5年半が経った今でも、様々な環境に影響を与えていると考えられています。その中で、宮城県の放射能汚染状況についての情報をまとめました。
宮城県の土壌汚染について
みんなのデータサイトの発表している情報をもとに、宮城県の土壌汚染地図を作成しました。宮城県の土壌からは、全体的に高い数値の放射線量が確認されています。その中でも最も土壌の放射線量が高かった地域は、2015年6月27日に測定された伊具郡丸森町の2か所で、放射性セシウム134と放射性セシウム137の合計が、ともに25,840ベクレル/kg、10,970ベクレル/kgと、かなり高い放射線量が検出される結果となりました。
この丸森町の2か所の地域では、放射性セシウム134もそれぞれ5,320ベクレル/kgと2,280ベクレル/kg検出されています。福島第一原子力発電所の事故から4年が経った2015年6月27日の放射線測定で、放射性セシウム134がこのように大量に検出されるということは、放射性セシウム134の半減期が約2年であることを考えると、福島原発事故当時、宮城県にもかなりの量の放射線がこの地域まで飛来したということだと思います。
その他の地域では、宮城県南部の白石市で2016年3月16日に放射性セシウム134と放射性セシウム137の合計で8,070ベクレル/kg検出され、同じく宮城県南部の角田市では、2016年2月19日にセシウム134とセシウム137の合計で4,393ベクレル/kg、岩沼市では放射性セシウム134と137の合計で1,611ベクレル/kgの放射線が検出される結果となっています。
宮城県北東部の栗原市では高いところで2015年5月10日に放射性セシウム134と137の合計で2,701ベクレル/kg検出されており、宮城県北部の登米市では2016年5月21日に1,317ベクレル/kgの放射線が確認されています。
このように、宮城県の土壌汚染については、広範囲に渡ってとても高い放射線量が確認されており、福島第一原子力発電所の事故で放出された放射線は、事故から5年半が経ってもなお、宮城県に多大な影響を与えています。宮城県の土壌の放射能汚染状況についての詳細情報は、下記の表や放射能汚染地図でご確認下さい。
また、福島第一原子力発電所の事故で放出された放射線は、福島県や宮城県のみならず、東北・関東の広い地域にも飛来し、とても広い範囲で土壌や食品の放射能汚染が広がっています。他の地域の土壌などの放射能汚染情報については下記をご覧下さい。
(東京の放射能汚染の情報はこちら)
(千葉県の放射能汚染の情報はこちら)
(神奈川の放射能汚染の情報はこちら)
(群馬県の放射能汚染の情報はこちら)
(茨城県の放射能汚染の情報はこちら)
(栃木県の放射能汚染の情報はこちら)
(山梨県の放射能汚染の情報はこちら)
(静岡県の放射能汚染の情報はこちら)
■宮城県の放射能汚染の状況
宮城県の食品の放射能汚染について
厚生労働省が発表している2016年上半期の食品の放射能汚染状況についての情報によると、宮城県の様々な食品からも放射線が検出されています。
<宮城県の魚の放射能汚染について>
厚生労働省が発表している情報によると、2016年上半期の測定結果において、宮城県の魚の放射能汚染で特に放射線量が多かったのは、海水魚ではクロダイ、淡水魚ではイワナで、ともに放射性セシウム134と放射性セシウム137の合計が50ベクレル/kgを超えて検出されています。海産物の検出限界値が12.1ベクレル/kgと高いことを考えると、かなり宮城県の魚からも高い数値の放射線量が検出される結果となっています。
(2016年上半期 海産物の放射能汚染地図はこちら)
<宮城県のきのこの放射能汚染について>
宮城県のきのこで高い放射線量が検出されたのは、放射線がたまりやすいと言われているしいたけで、検出限界値が11.7ベクレル/kgと高いにも関わらず、汚染数値が高いもので、放射性セシウム134と放射性セシウム137の合計で77ベクレル/kgの放射線が検出されています。
(2016年上半期 きのこの放射能汚染地図はこちら)
<宮城県の牛肉の放射能汚染について>
肉類の検出限界値は24.7ベクレル/kgととても高いのですが、宮城県の牛肉からも放射性セシウム134と放射性セシウム137の合計で31ベクレル/kgの放射線量が検出されています。
(2016年上半期 肉類の放射能汚染地図はこちら)
このように、厚生労働省やみんなのデータサイトが発表している情報によると、宮城県でもいまだに土壌や食品から放射線が検出されることが少なくない状況です。放射能汚染地図の情報などを参考にして頂き、放射性物質を含んだ食品や土壌の粉塵を吸い込むことなどによる内部被ばくを避け、ご自身やご家族の健康をお守り頂けたらと思います。
宮城県の空間線量情報
ホワイトフードでは、国が全国に設置したモニタリングポストで観測された放射線の空間線量情報をご提供しております。土壌汚染や食品の汚染とともに、空間線量も被ばくを避けるためにはとても大切な情報です。宮城県をはじめ全国の放射線の空間線量をご確認頂けますので、ぜひご参考にして下さい。
また、このモニタリングポストで観測された放射線の空間線量が、過去30日間の平均を大幅に超える場合にメールでお知らせする放射能速報メールサービスも提供させて頂いております。万が一に備えての情報として、ぜひご利用下さい。
(全国の放射線の空間線量はこちらから)
宮城県 放射能汚染の状況 情報ソース
みんなのデータサイトが、東日本17都県で展開する「土壌プロジェクト」は、ベラルーシやウクライナでは国が行った土壌マップづくりを、日本では市民力で取り組んでいるものです。空白域の採取にぜひご協力ください。詳しくはhttp://www.minnanods.net/soil/