ホワイトフードは、厚生労働省が情報公開した食品の年間30万件近い放射能検査の結果に基づいて、放射性ヨウ素、セシウム134およびセシウム137が検出されたそれぞれの数値を合計し、食品の放射能検査地図を作成しました。
放射性物質の健康への影響は、外部被ばくと内部被ばくの2つです。外部被ばくに関しては、事故直後の1ヶ月は放射性ヨウ素や放射性セシウムを中心とする放射性物質が福島原発事故によって気化して空気中に漂いました。チェルノブイリ事故後、初期被ばくの研究者であった在日ベラルーシ大使のSergei K. Rakhmanovによると、セシウムやストロンチウムのようなホットパーティクルを肺に取り込むと取り除く方法はなく、その結果肺がんになるリスクがあるとのことでした。また、現在の空間線量は全国に設置されたモニタリングポストをリアルタイムで情報を取得して地図上に異常値を表示させる「ただいまの空間線量」や「ガイガーカウンターAPP」が便利です。
一方で、内部被ばくは食べ物による被ばくになります。放射能検査地図の情報を参考に、放射能汚染されていない安全な食品を選んで対応くださることが、国の規制がゆるい中で汚染された食品からご家族の内部被ばくを避けることができることになります。特に成長がいちじるしい15才未満に関しては、30才の成人と比較すると、発癌リスクが3〜4倍と言われており、特に注意してくださることをお願いしております。
放射性物質は目に見えず、匂いもなく、味もしないので、厚生労働省の放射能汚染の情報を可視化しWebサイト上で公開する事で、若いご家庭が食品の放射能による健康被害をできる限り少なくできる事を期待しております。
食品の放射能検査地図
2016年の食品検査地図の情報
食品の放射能検査結果 カテゴリー一覧
各都道府県の各検査機関が放射能検査を行って、厚生労働省が測定結果をとりまとめた数値でありますので、検出限界値が高く設定されているものが多いのが特徴です。また、当ページの放射能検査地図は、厚生労働省の検査結果のデータに基づく地図ですので、セシウム134、セシウム137および放射性ヨウ素の検査が主となっており、ストロンチウムは対象外になっております。よって、放射性セシウムと放射性ヨウ素が検出されたもののみが放射能検査地図として表示されております。(情報元:厚生労働省の放射能検査結果の情報【平成28年度】)
2015年の厚生労働省の検査結果の公開情報に基づくと、各カテゴリーでワースト5の平均値は下記の通りです。
海産物
メバル30Bq/kg、シロメバル24.9Bq/kg、アカエイ22.3Bq/kg、クロソイBq/kg、ババガレイ21Bq/kg
(検査結果の詳細情報はこちら)
野菜
ジュンサイ43Bq/kg、アサツキ27Bq/kg、サンショウ21.5Bq/kg、小松菜20.9Bq/kg、ブロッコリー17.4Bq/kg
(検査結果の詳細情報はこちら)
キノコ
ホテイシメジ410Bq/kg、チャナメツムタケ276.8Bq/kg、サクラシメジ245Bq/kg、キハツタケ190Bq/kg、ショウゲンジ181.7Bq/kg
(検査結果の詳細情報はこちら)
豆類
落花生12Bq/kg、大豆10.7Bq/kg、あずき8.5Bq/kg、トラマメ6.4Bq/kg、ササゲマメ5.2Bq/kg
(検査結果の詳細情報はこちら)
果物
ビワ35.9Bq/kg、イチジク17.3Bq/kg、栗16.2Bq/kg、ゆず15Bq/kg、クルミ11.8Bq/kg
(検査結果の詳細情報はこちら)
肉類
牛肉16.3Bq/kg、豚肉8Bq/kg
(検査結果の詳細情報はこちら)
放射能検査結果の不検出と検出限界値
厚生労働省が2012年4月1日に施行した、食品中の放射性物質の新たな基準値は下記の表のとおりです。
検査結果でこの基準を超えた放射性物質に汚染された食品はできるだけ流通しないように規制がかかっております。一方、この高い基準以下の場合は、放射能汚染されている食品は規制の対象外となり、スーパーなどで販売できるので、みなさんの食卓や学校給食にも並んでいます。
一方で、ホワイトフードは放射性物質の自主検査では福島原発事故以前と同じ安全性を担保するために検出限界値0.5Bq/kg以下で放射能検査を実施し、検査結果でそれを上回る場合は、Webサイト上で情報公開し、その品目の出荷制限を行うという運用をしております。ホワイトフードの自主基準は、福島原発以前と同じ安全性を担保するために、厚生労働省の基準値の100倍きびしく検査と規制を実施しております。
また、生協をはじめとする小売業者で独自の基準による放射能検査および規制を行い、放射性セシウムの不検出が確認できる食品を販売するケースも増えています。しかし、お客さまの安全を守るための出荷制限や規制をかけるのではなく、食品の各品目で「放射性物質の不検出」という結果をWebサイト上で情報公開することが目的として、「検出限界値」を食品ごとに変えたり、高い数値に設定したりするケースも散見されています。(「不検出」には「検出限界値」のトリックについての記事はこちら)
日本の基準値と各国政府の輸入禁止措置
また、厚生労働省のWebサイトの公開情報に基づく放射能検査地図のその他の問題点としては、放射能検査の検出限界値が高く設定されており、検出限界値以下の放射性物質は表示されていない事になり注意が必要です。実際はもっと広範囲の地域で、もっと多くの食品からセシウム134およびセシウム137が検出されていると考えて頂く事が妥当と考えております。定量下限など、検査を行う上で国が規定をもうけることで、情報データとしては信頼性があるが、検出限界値が高く設定してあるので、影響範囲が少なく見せることができるということです。
厚生労働省の定めた新しい基準値に対する定量下限がそれぞれ()内の記載になります。一般食品の基準値100Bq/kg(定量下限10Bq/kg)、乳児用食品の基準値50Bq/kg(定量下限5Bq/kg)牛乳の基準値50Bq/kg(定量下限5Bq/kg),水の基準値10Bq/kg(定量下限1Bq/kg)となります。
基準値以下の食品は放射性物質が含まれていても、ゆるく設定されている規制をくぐってスーパーや外食などに通常どおりに流通できるのです。食品に対する国の基準値は高く設定されているため、放射性物質を含んでいる食品も基準値以下である場合は、スーパーや給食向けにも出荷制限の規制がかかっていない状態です。
一方で、アメリカ、ロシア、中国など放射性物質に見識や情報を持っている主要政府を中心に、日本からの食品の品目ごとに、きびしい出荷制限や放射能検査などの規制が実施されているという情報に基づくと、どの産地の食品を選択する上でできるだけ正しい情報公開を行うことが大切です。
(1)アメリカ政府の規制:福島、岩手、宮城を中心とした東北と関東各県ごとに、キノコ、竹の子、魚や肉などについて輸入が停止されております。(2016年7月末現在)
(2)中国政府の規制:宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、長野(10都県)の全ての食品と飼料を輸入停止という規制が実施されています。(2016年7月末現在)
(3)ロシア政府の規制:岩手、宮城、山形、福島、茨城、千葉、新潟 (7県)に所在する施設の水産品・水産加工品が輸入停止。福島、茨城、栃木、群馬、千葉、東京(6都県)の全ての食品に政府作成の放射性物質検査証明書(放射性物質検査報告書を添付)を要求という規制が実施されています。(2016年7月末現在)
(農林水産省Webサイト上の情報公開【平成28年度7月現在】:出荷制限の品目の一覧)
食品の放射能汚染から身を守る方法
日本で生活をする上では、厚生労働省が主体となって検査を進めているものの、関東と東北の放射性物質に汚染された食品も国の高い基準値を下回る場合は全国に流通しているため、100%規制されているわけでもなく、食品の放射能汚染から避けることは一般的に難しい状況です。効果的に放射能汚染から身をまもるためのポイントを3つまとめてみました。
< ポイント1 >
多く食べる食品を安全にする
放射能は掛け算ですので、米・水・牛乳などのように多く食べる食品のリスクが高くなります。たとえば、同じ10ベクレル/kgで汚染されていても、1か月にお米を10kgとお漬物を0.1kg摂取する場合、お漬物よりお米を安全なものに変える方が放射能から身を守る上では、100倍効率的かつ効果的です。
また、放射能検査された食品を購入する時は、検出限界値を確認する。検出限界値が高く設定されていると、高めに汚染されている食品でも放射能検査において不検出となってしまいます。たとえば、検出限界値が10ベクレル/kgですと、8ベクレル/kg汚染されている食品は不検出となってしまうので、注意が必要です。ベラルーシ大使のアドバイスでは、極力汚染された食品を体に入れないことが一番良いとのことでした。
< ポイント2 >
セシウム除去に塩ゆでが効果的
塩ゆですることで、肉や魚は70%、ジャガイモは45%の放射性セシウムが煮汁に出ることが、チェルノブイリ事故後の研究でわかりました。食品の産地が分からない場合や、産地偽装が心配な場合は、塩ゆでしてから調理をオススメします。
< ポイント3 >
サプリを日常生活に取り入れる。
外食や学校給食では、安い食材が使われることが多いため、被災地の食材が使われるケースが少なくありません。放射能の検査地図を参考にリスクが高い産地や食材を外すのも1つ手ではありますが、産地偽装などのリスクがあります。そこで、日常生活に脱被ばくのサプリメントを検討されてみてはいかがでしょうか。
ホワイトフードでは、キッズカーボンという吸着機能がある活性炭や、小さいお子様でも食べることができるスピルリナ・クッキーをご用意しております。 特にスピルリナは、1日5gの服用で、尿からのセシウムを半分にしたという論文もあり、効果が期待されています。
(1)ゲルマニウム半導体検出器
ゲルマニウム半導体検出器は、ゲルマニウム半導体検出器に入射した放射線(ガンマ線)がその中で作り出す荷電粒子の運動経路にそって生じる自由電子をつかって放射線を検出します。ゲルマニウム半導体検出器の特徴は、優れたエネルギー分解能で、放射性セシウム(セシウム134とセシウム137)、および放射性ヨウ素など多くの放射性物質をそれぞれ精度高く検出できるため、信頼性高いデータをそれぞれの放射性物質についてとれる事ができます。同じゲルマニウム半導体検出器を使っているのですが、ホワイトフードのように検出限界値を0.5ベクレル/kgに設定できるにもかかわらず、厚生労働省の発表データの検出限界値は高く設定して検査を行うということが多いのは、何か意図があるのではないかと考える方も多いようです。
ゲルマニウム半導体検出器は、外部からの放射線を遮断するために1トン近い鉛を使った遮へい体の中におくことで、検体以外の放射性物質からの放射線を遮ることで信頼性を向上させる事ができます。測定者が正しく検査を実施するために、ゲルマニウム半導体検出器の結晶を液体窒素で冷やしながら実施されます。
食品など放射能検査する対象の物質を検体と呼びますが、検体をフードプロセッサーや包丁で細かく刻み、物理的に均一になるように2リットル、1リットル、U8容器にそれぞれの容器にあった量を詰めてゆき前処理を行うことが必要です。特に質量がないものや、希少価値が高くて量を集めるのにお金がかかる食品などの放射能検査は大変コストがかかります。放射性セシウムやストロンチムに高度に汚染されている食品もあるため、測定者は放射性物質から身を守るために、作業用にビニール手袋を使用することをオススメします。
(2)NaIシンチレーション検出器
NaIシンチレーション検出器は比較的値段が安く、放射能検査を実施する測定者にとって理解しやすく、またゲルマニウム半導体検出器のように1トンを超える重量という事がないので設置場所の制約もありません。そのようなことで、チェルノブイリ事故後には、食品中の放射性物質を調べるためにNaIシンチレーション検出器が各学校、市場や公民館などに設置されました。NaIシンチレーション検出器は、使いやすいことから現場での放射性物質のスクリーニング検査を行うことに向いている測定器であるといえるでしょう。
また、NaIシンチレーション検出器は検出感度が良い為、ゲルマニウム半導体検出装置よりも短い時間で放射能検出できるのです。そのためNaIシンチレーション検出器は放射能検査に迅速さが要求される現場や、セシウム134とセシウム137のスクリーニング検査を行うことにむいていると言えます。
福島原発事故後に、国が定めた基準値は、一般食品の基準値が100Bq/kg、乳児用食品の基準値が50Bq/kg、牛乳の基準値が50Bq/kg、飲料水の基準値が10Bq/kgに設定されており、それ以下の汚染であれば規制がかかっておりません。これらは、ヨーロッパの基準値やチェルノブイリ事故後の被災地であるベラルーシの基準値やウクライナの放射性物質の基準値と比較すると高めであり、できる限り低い基準値と規制を設ける事が必要ではないでしょうか。
ホワイトフードでは、食品業界で最もきびしい検査の基準値、すなわちセシウム134、セシウム137、および放射性ヨウ素の検出限界値を0.5Bq/kg以下に設定し、自社のゲルマニウム半導体検出器で1日6つの食品の検査を行っております。できる限り多くの食品を検査したいのですが、検出限界値を0.5Bq/kg以下を担保するには、食品のそれぞれの質量にもよっても異なりますが、1つを計測するのに3時間前後が必要です。なお、できる限り原発事故前の安全を担保できる基準値が必要であると考えて、京都大学原子炉実験所の元助教であった小出裕章氏と相談して、0.5Bq/kg以下という基準値を設定しました。