魚の放射能検査の地図について
厚生労働省が発表した2015年度上半期の食品の放射能検査の結果から放射性セシウムが検出された海の魚を抜き出し、放射性セシウムの濃度を棒グラフの高さに表した地図を作成しました。 福島原発事故後、日本の国土と太平洋を中心に放射性物質が拡がりました。若いご家庭が放射性物質による健康リスクから子供を守る必要があります。放射能汚染されている魚のエリアを知ること、食べるものに注意していただくことを目的に地図を作成しており、安心で安全な食べ物を食べることが必要であると思います。
なお、厚生労働省の発表の放射能検査には、ゲルマニウム半導体検出器やNaIシンチレーション測定器が使用されており、セシウム134とセシウム137が放射能検査の対象になっております。
また、魚の放射能検査の地図の他に、日本の野菜、果物、肉類、豆類、きのこ、水・お茶汚染状況も注意が必要ですので、検査地図もご用意しております。2015年の食品の汚染の問題を知ることで、各ご家庭で注意のレベルをあげて、安全な食品を選ぶことに繋がれば良いと思っております。
福島原発事故による食品の放射能汚染の問題を知ることで、安全を確保するために各国政府の方で輸入禁止措置が取られている。大きくニュースになった韓国政府による規制だけでなく、魚における輸入禁止措置あるいは規制を入れている国が多い。
韓国政府:【福島県の魚各種】、【群馬県のイワナ・ヤマメ】、【栃木県のウグイ・イワナ・ヤマメ】、【茨城県のメバル、スズキ、ニベ、ヒラメ、フナ、ウナギ、コモン・カスベ、イシガレイ、マダラ】、【宮城県のスズキ、ウグイ、ヤマメ、マダラ、ヒガンフグ、イワナ、ヒラメ、クロダイ、鮎】
魚を含む輸入禁止措置および規制を設けている政府の一覧
アメリカ、EU、ロシア、中国、ブラジル、ブルネイ、ニューカレドニア、レバノン、インドネシア、アルゼンチン、アラブ首長国連邦、オマーン、カタール、クェート、サウジアラビア、バーレン、エジプト、コンゴ共和国、モロッコ、シンガポール、香港、マカオ、台湾、フィリピンなど(2016年1月30日時点)
(詳しくは、各国の輸入規制・安全対策について)
後述するように、魚に関しては、白血病の原因になると言われているストロンチウム90のリスクがあることを知ることが必要です。魚は産地に注意したり、放射能検査をしたりした魚を食べることが大切なタイミングと考えるのが良いと思う。特に産地が不明瞭な小魚は、ストロンチムは骨に吸着することから、特に注意することが必要です。
(1)福島原発事故以前の魚の放射性セシウムの汚染濃度は?
東京電力の福島原子力発電所の事故以前にも、大気内核実験やチェルノブイリ原発事故の影響で、放射性セシウムをはじめとする放射性物質で日本の環境や食品が汚染されており、国の方で放射能検査の結果を報告していました。
福島原子力発電所の事故以前に、放射性セシウムの濃度を国が放射能測定をしており報告していました。原発事故以前の1957年~1910年の放射能測定でも原発事故以前の放射性セシウムの測定が検出されておりますが、魚におけるセシウム濃度は、概ね0.1~0.6ベクレル/kgぐらいの測定結果でした。
福島原子力発電所事故以前のセシウム濃度の汚染ワースト10は、まぐろ(0.61Bq/kg)、さより(0.6Bq/kg)、なまず(0.54Bq/kg)、むつ(0.46Bq/kg)、なまこ(0.42Bq/kg)、まこんぶ(0.4Bq/kg)、かつお(0.36Bq/kg)、たちうお(0.35Bq/kg)、かます(0.32Bq/kg)、こい(0.31Bq/kg)という調査結果でした。
大型魚の方が水銀などの汚染と同様に、生物濃縮しやすそうなので注意が必要だと推測ができます。また、原発事故前の調査報告でワースト6の昆布のように放射能の吸着しやすい海産物にも注意が必要です。魚の安全性について魚業界で最も注意をしているホワイトフードでは、海流的な安全性に考えて日本の最北端の利尻島昆布をセシウムとストロンチウムの放射能検査で不検出な商品も取り揃えてみました。
(詳しくは、福島原発事故以前の魚の放射性セシウムの汚染調査の情報について)
(2)海の魚の放射能汚染について(2015年度のまとめ)
■ 海の魚の放射能検査地図(市町村別)
汚染地図を拡大表示する
福島県を中心に茨城県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、岩手県を中心に放射性セシウムに汚染された魚が報告されています。新潟県と北海道の検出が気になりました。新潟県の日本海側のタラ(Cs137, 0.43Bq/kg)とイシダイ(Cs137, 0.6Bq/kg)でした。
一方、新潟県魚沼市の川魚イワナ(Cs137, 6Bq/kg)とイワナ(Cs137, 6Bq/kg)とヤマメ(Cs137, 4.8Bq/kg)は注意が必要だと思います。
北海道のスケトウダラ(Cs137, 0.27Bq/kgと0.28Bq/kg)とマダラ(Cs134, 0.25Bq/kg、Cs137, 0.35Bq/kg)なのでやはり回遊魚のタラは数値は低めではありますが、放射能検査の検出限界値0.5ベクレル/kgの基準をもうけているホワイトフードでは、タラなど汚染エリアから回遊してくる大型魚を注意が必要と考えており、引き続き取扱商品から外すことで安全を担保したいと考えております。
(詳細) ホワイトフードの放射能検査済の魚せっと(北海道の北半分と海外の魚セット)
■ 海の魚の放射能検査地図(都道府県別)汚染地図を拡大表示する
■放射性セシウムが検出された注意が必要な魚種一覧
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※海の魚の放射能測定の検出限界値の平均は11.9ベクレル/kgでした。
2015年上半期の放射能測定の海の水産物における検出件数ワースト5は、マダコ、うなぎ、シロメバルという調査結果でした。毎年夏場になるとうなぎを召し上がる方も多いとおもいますが、安心して食べるためには産地の確認や検査の有無などの情報を調べることも必要です。
(地図:水産省発表資料より)
また、気になる情報としては、水産省の2015年の調査報告でもカツオの放射能検査で0.37Bq/kg、0.52Bq/kg、0.77Bq/kgの3つを検出しております。カツオは東京電力の福島原子力発電所に近い海域を泳ぐため注意が必要です。
以前ホワイトフードでも鰹節を何度か検査したのですが、セシウム134も検出しましたので、福島原子力発電所事故由来の放射性物質であり、ストロンチウム90のリスクもあるので、ホワイトフードの鰹節はインドネシア産)にして、水産業界で唯一ストロンチウムとストロンチウムの両方を放射能検査して取扱いすることになりました。
福島原発事故の海の汚染に関しては、東京電力の報告によると未だ目処がたっていない状況で、海の魚の汚染から目を離すことなく、正しく状況を知ることが大切です。安心して食べるために、安全を担保することが必要なので、海流を考慮した上で産地調査と放射能検査が必要であると思います。
特に15才未満のお子さまは30才成人よりも、発がんリスクが3〜4倍高いため、お子さまを放射性物質のリスクから守るために、できる限り安全な魚のみ食べることが大切です。
また、2013年~2014年の魚の放射能汚染地図は下記の通りである。
2013年の検査地図 | 2014年の検査地図 |
(3)川の魚の放射能汚染について(2015年度上半期)
■川魚の放射能検査地図(市町村別) 汚染地図を拡大表示する
■川魚の放射能検査地図(都道府県別) 汚染地図を拡大表示する
川魚の放射能汚染も深刻な状況です。厚生労働省による放射性セシウム濃度が発表されています。それによると、2015年上半期のワースト10は、ワカサギ(51Bq/kg)、ヒメマス(47Bq/kg)、ニジマス(46Bq/kg)、イワナ(32Bq/kg)、ヌマガレイ(29Bq/kg)、鮎(26Bq/kg)、ナマズ(25Bq/kg)、アメリカナマズ(23B/kg)、コイ(22Bq/kg)という調査結果でした。
また、水産物の中でもうなぎは需要が多く、千葉県・茨城県・宮城県などに汚染状況の広がりをみせていたので、地図にまとめてみました。チェルノブイリ事故の際は、川の魚が放射性物質で高度に汚染されたことで有名ですが、福島原発事故後もうすぐ5年になるわけですが、未だに高度に汚染されている川の魚が多く見つかっている問題を知る事が大切であると思います。
また、川魚は骨も食べるケースもあるため、ストロンチウムのリスクからお子さまを守るためには、産地不明な川魚はできる限り食べることを避けるということも大切です。
(詳しくは、2015年上半期の川魚の放射性セシウムの汚染問題について)
(4)海の放射能汚染とストロンチウムの脅威
福島原発事故からもうすぐ5年が経過することになりますが、汚染水の問題は未だに終息しておりません。原子炉建屋とタービン建屋の近くに設置された41箇所の井戸4「サブドレン」と「地下水ドレン」によって地下水の流入を大幅に減らすことが期待されていました。ところが、「地下水ドレン」と言われる井戸から地下水をくみ上げ、海へ放出するはずだったが放射性物質の濃度が高く、原子炉建屋側へ移送せざるを得ない状況です。2016年1月時点では、一進一退の深刻な状況が続いています。(詳しくは、毎日新聞の記事「汚染水が増加 海側の地下水、濃度が高く」)
このように海洋汚染問題および海の食品の問題は継続中です。問題の終息の予測すら難しい状況であるので、海の魚の汚染状況も注意が必要です。
以前京都大学原子炉実験所で助教をされていた小出裕章氏に、海の放射性物質の汚染と放射性核種のリスクについてインタビューしました。下記がそのまとめです。
・・・小出裕章氏の汚染水の見解・・・
ストロンチウムは揮発性が少ないので、福島原発事故で大気中に放出された量はセシウムと比較すると少なかった。1,000分の1ぐらいだが、ストロンチウムは水に溶けやすいので、海の汚染も懸念される。
セシウムもストロンチウムも水に溶けやすい性質を持っている。また、原子炉の炉心の中にほとんど同量のセシウムとストロンチウムが存在している。そして、原子炉が溶け落ちてしまって、落ちた炉心に4年間水をかけて冷やそうとしてきたが、全て放射能汚染水になっています。この放射能汚染水の中にセシウムとストロンチウムは殆ど同量存在していたはずであると説明をくださいました。
しかし、セシウムは水に溶けやすいけれども、ゼオライトなどの一部の粘土鉱物にとても吸着しやすいという性質を持っており、東京電力などは、ゼオライトを通すことによって、セシウムを汚染水の中から捕捉しており、汚染水の中のセシウムはかなりの分が除去されているようです。
一方、ストロンチウムに関しては、今のところは殆ど何もやっていないという状況のわけで、放射能汚染水の中には、セシウムはかなり減っているけども、ストロンチウムは大量に存在しているという状態になっているわけです。
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(参照:京都大学原子炉実験所の元助教、小出裕章氏のインタビュー)
ストロンチムは、カルシウムと同じアルカリ土類金属に属しており、骨に吸着しやすい性質を持っており、白血病や骨の癌の原因になると言われており、注意が必要です。
よって、小魚や川魚など骨ごと食べる魚はストロンチウムのリスクが高いと言えますので、特に注意が必要であると思います。
(5)食品汚染の問題から健康と身を守るためには?
チェルノブイリ事故では、事故後5年目から甲状腺がん、免疫力の低下によって起こる病気や風邪の増加、心臓などの循環器系の疾患、呼吸器系の疾患などの健康問題が急増しました。特に15才未満のお子さまは放射能のよる健康への影響がでやすいと言われており注意が必要です。
子供たちの健康にとって一番大切なことは、安全な食品を食して、放射性物質を極力体に入れないことが大切です。特に白血病や骨の癌の原因になるストロンチウム90は骨に吸着すると25%排出するのに5年間もかかるという論文がでており、注意が必要です。
そんな中で子供を放射能から守るポイントを3つまとめてみました。
放射能汚染から健康を守るためのポイント
① 放射能汚染された食品を避けること。
産地を調べたり、放射能検査をしたり、極力安全な魚を食べる事が大切です。放射性物質を食品を通して、体に取り入れてしまい、放射線を体の中から浴びることを内部被ばくと言われており、外部被ばくよりも影響が大きいと言われております。事故後5年近くたちましたので、一部の地域を除いてい外部被曝ばくよりも、食べ物による内部被ばくをいかに少なくするのかということが大切です。
② 魚は塩ゆですると、放射性セシウムが70%除去可能
チェルノブイリ事故後、多くの食品が汚染してしまったベラルーシでは、調理法によって放射性物質をいかに少なくするのかという研究がさかんに行われました。その中でもとても効果があったのが、「塩ゆで」です。魚や肉に関しては、塩ゆですることによって放射性セシウムが70%排除でき、ジャガイモは塩ゆでで45%排除できることが論文で発表されています。
(詳しい情報はこちら)
③ 排出・免疫向上系サプリのスピルリナを摂取
上記の①と②の記載のように、一番良いのは放射性物質を体に取り入れないことです。ただ、外食や給食などを食べざるをえいないときは、キッズカーボンのような放射性物質を排出するサプリメントや、免疫力を高めるサプリメントも検討されると良いと考えております。
スピルリナは放射性セシウムを排出すると言われているだけでなく、免疫力を高める力があるという論文もあり、下記のリンクで論文やエビデンスをまとめてみました。ただ、スピルリナは藻なので、特殊な匂いがしますので、継続的に飲むことが辛い方が多いので、ホワイトフードではサプリメント・クッキーにしておいしく召し上がれるようにご用意してみました。
(サプリメントの論文やスピルリナ・クッキーについて詳しくはこちら)
また、ストロンチウムとセシウムとヨウ素の両方を検査した魚せっとを、ホワイトフードが業界で唯一販売しています。また、その他の放射能検査済の食品は400品目以上取扱いをしております。今後も食品の放射能検査を増やして、食品800品目まで増やす予定です。
商品名 | 測定日 | ヨウ素131 | セシウム134 | セシウム137 |
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鮭山漬け荒ほぐし | 2015年12月8日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
鮭切り身 | 2015年12月11日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
ほっけ開き | 2015年12月12日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
あじ開き | 2015年12月10日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
塩蔵わかめ | 2015年12月8日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
塩サバフィレ | 2015年12月9日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
ほっけ刺身 | 2015年12月11日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
ししゃも | 2015年12月9日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
かれい | 2015年12月9日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
北海たこ | 2015年12月12日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
ツナフレーク | 2015年11月25日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
本マグロ | 2015年12月9日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
毛ガニ | 2015年12月12日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
ベビーホタテ | 2015年12月9日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
寿司用エビ開き | 2015年11月27日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
ナガツカ唐揚げ | 2015年11月25日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
ボイルズワイガニ棒肉 | 2015年11月26日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
刺身用南蛮エビ | 2015年11月26日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
刺身用秋鮭たたき | 2015年11月26日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
ボイルタラバ足 | 2015年10月29日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
ボイルズワイ足 | 2015年10月30日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
特大毛ガニ | 2015年10月30日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
生タラバ | 2015年11月2日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
新巻鮭 切身5パック | 2015年6月24日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
新巻鮭 一本姿 | 2015年6月24日 | 不検出 | 不検出 | 不検出 |
商品名 | 検査日 | 検出限界値 (Sr90、Sr89合計) | 測定値 |
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宗八カレイ | 2015年9月24日 | 0.39Bq/kg | ND(不検出) |
ほっけ刺身 | 2015年10月22日 | 0.41Bq/kg | ND(不検出) |
ほっけ開き | 2015年9月24日 | 0.41Bq/kg | ND(不検出) |
紅鮭 | 2015年11月19日 | 0.40Bq/kg | ND(不検出) |
礼文わかめ | 2015年11月19日 | 0.41Bq/kg | ND(不検出) |
鮭フレーク | 2015年11月27日 | 0.5Bq/kg | ND(不検出) |
荒巻鮭 | 2014年11月27日 | 0.39Bq/kg | ND(不検出) |
骨まで丸ごとあじ開き | 2015年3月19日 | 0.41Bq/kg | ND(不検出) |
骨まで丸ごとかます開き | 2015年3月19日 | 0.42Bq/kg | ND(不検出) |
食品の放射能検査地図【魚編】(2015年 上半期) 情報ソース
厚生労働省の食品の放射能測定の結果一覧
平成26年度月別の食品の放射能測定の調査結果
http://www.mhlw.go.jp/stf/kinkyu/0000045281.html
平成27年度月別の食品の放射能測定の調査結果
http://www.mhlw.go.jp/stf/kinkyu/0000084439.html